TOSS北海道 / サークル参加へのドラマ
■「これだ!」
自分が求めていたものに会えた気がした。
初めてサークルに参加させていただいた時のことである。
誘っていただいたサークルの先生から「脳みそに汗かくよ」と言われていたが、まさにその通りであった。
サークルの先生方が次々と模擬授業やレポートを発表していく。
直後、その発表に対しての評価や感想を求められる。
緊張感があった。
サークルに参加する誰もが「学びたい」という姿勢で臨んでいた。
サークルに来ている人たちのやる気に圧倒されそうだった。
少しの時間も無駄にしない。
サークルは猛スピードで進められていった。
しかも4時間ぶっ通しである。
初めてのサークルが終わった後、緊張から解放されたのか、どっと疲れが出た。
しかし、満足感で一杯であった。
■今まで参加したどの研修会よりも「ためになった」と実感した。
スピードが速いからではない。
4時間という長い時間やったからでもない。
「具体的」だったからである。
「こうすれば、こうなる」という強くて明確な主張が、サークルのどの先生からもガンガン伝わってきた。
サークルの先生方が模擬授業やレポートを一つ発表していく度に感動していた。
具体的だからこそ「学んでみたい」と思えた。
具体的だからこそ「実践してみたい」と思えた。
私はサークルに惹かれていった。
■私にサークルの存在を教えてくれたのは同じ学校のT先生である。
T先生はTOSSで学んでいた。
当時クラスの陰湿な「いじめ」に悩んでいた私は毎日教室に行っては説教をしている教師であった。
当然、そんな教師から子どもの心は離れていき、クラスは荒れていった。
それを見た周囲の先生は私に多くの助言をくれたが、どれもみな理想論ばかりであった。
「この人は本当に私のことを思って言っているのだろうか?」
「そんなこと百も承知だ!」
疑ったり、腹立たしく思ったりもした。
私は人の話にまともに耳を貸せなくなっていた。
そんな中、T先生の助言だけは違っていた。
「まず、こうしてみるといいよ」
現状を理解した上での具体的なアドバイスだった。
階段に例えるなら一段目を示してくれたといった感じである。
次の段階に進めそうな希望を与えてもらった。
だからがんばることができた。
いじめは、その学期中になくなった。
■ある日、T先生から「今度、サークルに行こう」と誘われた。
得体の分からない"サークル"というものに対するおそれや不安もあったがT先生から感じた「具体的な何か」に惹かれ、参加してみようと思った。
そして初サークルでの感動。
T先生から感じたものは本物であった。私が求めていたものであった。
サークルを紹介していただいたT先生には感謝がたえない。
サークルは参加するたびに感動の得られる場所である。
先輩の先生方の圧倒的な力のある実践を目の当たりのして感動。
自分の模擬授業やレポートを厳しい目で評価され、自分のいたらなさに気づき、また感動、といった感じである。
サークルで学んだことは目に見えて子どもたちの成長につながっていった。
学んだことを実践するたびに子どもたちが生き生きしてくることに気づいた。
うれしかった。
子どもの成長は教師の喜びであり励みである。
それに気づかせてくれたのはTOSSサークルであった。